カスタマーハラスメントに対する基本方針
当社では、事業活動はステークホルダー(従業員、消費者、取引先など)である人と人のつながりで成り立っており、人権の尊重・配慮は企業の社会的責任(CSR)の基本事項であるとの認識のもと、「地域とともに地域住民のために」の基本理念に基づき、お客様等へ「安全・安心・快適」なサービスを提供できるよう、日々の業務に取り組んでおります。
一方で、一部のお客様等からの社会通念上相当な範囲を超えた要求や従業員の人格や尊厳を傷つける言動(カスタマーハラスメント)があった場合、職場環境を脅かし、安全で健全な企業活動に悪影響を及ぼしかねません。
今後、従業員の安全確保と人権を尊重するため、これらの要求や言動に対しては、お客様に誠意を持って対応しつつも、毅然とした態度で対応します。また、お客様からこれらの行為を受けた際は、従業員が上長等に報告・相談することを奨励しており、相談があった際には組織的に対応します。
本方針の目的
本方針は、従業員を守りながら、公正な対応を通じて企業の健全な運営を維持することを目的とします。
カスタマーハラスメントの定義
お客様等からの不法行為に該当する行為およびこれにつながるおそれのある行為、また義務のないことや社会通念上相当な範囲を超える対応を要求する行為(お客様等が、従業員に対して、内容の妥当性に照らし、社会通念上適切な範囲を超えて、行う不当な言動)により、従業員の尊厳や安全、就業環境が侵害される行為を指します。
カスタマーハラスメントと考える行為の一例
行為類型 | 概要 | 具体的行為(一例) |
---|---|---|
暴力・威嚇行為 | 従業員に対して直接的な暴力や脅迫を行う行為 | 殴る・蹴る・物を投げる、大声で怒鳴る、脅迫する、SNSで拡散を予告する |
過剰な要求 | 法令・契約を超えた対応や、不当なサービス提供を強要する行為 | 不当な返金・補償を求める、特別待遇を強要する、業務範囲外の対応を求める |
執拗なクレーム・業務妨害 | 合理的な範囲を超えて、何度もクレームを繰り返し業務を妨害する行為 | 同じクレームを繰り返す、責任者を執拗に要求する、長時間居座る |
差別・侮辱的発言 | 従業員の人格や職業、性別、人種などを否定・差別する発言を行う行為 | 暴言・罵り、職業差別的発言、性別や人種に関する差別発言 |
土下座・謝罪の強要 | 不当な謝罪方法を強要する行為 | 土下座を要求する、過剰な謝罪を求める、経営陣の謝罪を要求する |
プライバシー侵害・ストーカー行為 | 従業員の個人情報を不当に取得・利用する行為 | 住所・連絡先を聞き出す、私的なSNSを特定し嫌がらせをする、尾行する |
SNS・ネット嫌がらせ | ネット上で企業や従業員を誹謗中傷し、名誉を毀損する行為 | 事実無根の投稿をする、従業員の写真を晒す、悪意ある口コミを書く |
セクシャルハラスメント | 従業員に対して、不適切な性的言動を行う行為 | 不適切な身体接触、プライベートな質問、性的な冗談や視線 |
金品・賄賂の強要・要求 | 不当な形で金品を要求、または提供を強要する行為 | 不当な金銭補償を要求する、金を払わないと許さないと脅迫する |
過度なサービス強要 | 通常のサービス範囲を超えて、一方的な便宜を求める行為 | 営業時間外の対応を求める、通常業務範囲外の便宜を要求する |
※上記の例に限りません。また、当社の従業員がお取引先等に対して行う行為も含みます。
カスタマーハラスメントの対応方針
社外対応
- 注意喚起:店頭・Web・SNSでカスタマーハラスメント禁止を明示いたします。
- 毅然とした対応:不当な要求には適切に対応し、安易に応じません。
- 第三者の活用:警察・弁護士と連携し、法的措置も含め厳正にいた対応します。
- 被害届・訴訟:迷惑行為防止条例、業務妨害罪などに基づき対応いたします。
- 業界・自治体との連携:カスタマーハラスメント対策の情報共有と対策強化いたします。
社内対応
- 規程・マニュアル整備:適正な判断・対応を行うため、対応手順を明確化し、従業員に周知します。
- 教育・研修:適正な判断・対応方法や記録の取り方を指導します。また、お客様等に対してカスタマーハラスメントを行うことがないよう、啓発、教育・研修を行います。
- 相談窓口の設置:従業員が安心して相談できる体制を構築します。
- エスカレーション:上司、総務・法務部門への連携ルールを策定します。
- メンタルケア:被害を受けた従業員に対し、心のケアに努め、再発防止に取り組みます。
- 記録の徹底:音声・映像・メモを活用し、証拠を残します。
- 法的支援:必要に応じて警察・弁護士等と連携します。
映像・音声の記録について
窓口やバス・鉄道車両に音声録音機能付き防犯カメラを設置しており、映像の録画と合わせて音声を記録しています。
これからもお客様に「安全・安心・快適」なサービスが提供できるよう努めてまいりますので、今後とも、ご理解・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
熊本電気鉄道株式会社
代表取締役社長 中島敬